人気ブログランキング | 話題のタグを見る

教育実践の誇りを

   教  員  研  修  未  来  考
     ~ 教 育 現 場 に 実 践 運 動 の う ね り を 

 私は今春兵庫県立高校教員を定年退職しました。37年間の経験を顧みて、今後続く先生方に提言を示し交流の輪の出会いが生まれれば幸いに思います。
 今年10月に朝日新聞の投書欄に原稿を提出しましたが没になりました。この欄に全文を採録し読者の感想及び意見をお待ちしたいと思います。

 (全文紹介) 
 10月3日の社説「学級・考 窓を開け、風を入れよう」を拝読し、学校での子供の育ちと、教員の目指す方向に一考を捧げたい。
 記者は小中学校の取材で、社会の歪みの集約化が子供に反映された不幸として表現していた。多くの子供は自己中心のみで寄り添う疑似グループを形成し、互いを認め合う人間関係が欠如していると。
 少子化が進行し、将来有用な人材が相対的に希薄になるのだろうか。嘆きの現実を露呈しつつ、その解決策の一助を文部科学省が主導する35人学級実現と教員像を基盤とした施策を取り上げた。しかし、教育行政の施しのみで事態が解消されるわけではない。記者の願いは、学級を支える体制に知恵を出し合い子供たちを育てていく営みだろう。賛同しつつ、この際私の実践を紹介し、問題提起を試みたい。

 現役高校教員時代、4種類の通信を時宜を選び継続して発行した。

 ①学級通信 ②教科通信 ③学年通信 ④現場同僚教員への通信、である。概要を示したい。
 ①では、ためらいや自己防御を崩さず、ひっそりと作成する同僚を目にした。その時、互いの実践を励ましあう関係を話し合った。
 ②は、日本史を中心に、仮説・命題の研究からフィルドワークを重ね教科書を補強する紙面を週刊で構成した。
 ③は、学年主任として、生徒の在学中光り輝く成果を探り出し、月刊で活字化した。
 ④も、同じく学年主任として、職場の中・小集団の同僚に公私まみえる書簡を週刊で届けた。

 実践の要約を記したが、そこで問題提起に入りたい。教育活動の営みを職場から発信し、「白 書 運 動」に繋げる思想と行動である。生徒・保護者・地域を結び情報開花の芽を学校主導で目指し、教育の自信を取り戻す運動を核にして臨む。「教室王国・授業王国」に閉じこもる教員を解放させれば、隣の同僚・学年・学校へと自己能力を発揮できる土壌が育つ。HR運営・授業・学校行事等では、管理職の包容力が試される。個々の教員の目覚めを前提としつつ、拓かれた教育活動の保障は必須条件としなければならない。保護者や地域からの建設的提言は積極的に受け入れよう。PTA・学校評議員会の外部組織は我が子我が町中心から周縁部の動きを理解する集団になれるだろう。教育行政や教員組合は、学校や教員の研修に幅広い保護と支援が必要である。
 戦前の生活綴り方運動に始まる民間教育運動に尽力した先達に学び、官民を挙げ荒廃に立ち向かおう。その上で生徒を頂点にした「トライアングルの構築」に心を傾けたい。頂点の下の底辺部左右の両端には、学校があり、保護者・地域が存在する。主役であるべき生徒を支える地点から未来の教育創造を求めて歩き出そう。(投稿文 原文のまま。終わり)

 「白書運動」にインパクトがなかったので没になったのだろう。現場教員が生身の声を挙げることは勇気がいることであろう。「ほうれんそう」(報告・連絡・相談)という上意下達の教育現場の実態を打破することを目指すならば、精神の独立を成し遂げた一教員の実践から出発すれば良い。管理職と一線を隔て通した私の教育信念が現在の若き教員にも通じるものと信じたい。教育実践の活字の魅力は今からでも遅くないのです。
 私の実践記録を心ある教員に届けることを願って。反響を待ちます。
# by tadao0726 | 2010-12-27 22:43


教えるものと学ぶものとが共に育つ


by tadao0726

カテゴリ

全体
未分類

以前の記事

2010年 12月

フォロー中のブログ

ミキニッキフロムキョウト

メモ帳

最新のトラックバック

ライフログ

検索

タグ

その他のジャンル

ブログパーツ

最新の記事

教育実践の誇りを
at 2010-12-27 22:43

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

画像一覧